美しい砂の島にある「ロイヤルダブリン・ゴルフ・クラブ」
2019年ゴルフ全英オープンは、68年ぶりのアイルランドでの開催でした。
148th 全英オープン、本戦第1日目を観戦して来ました!! - イギリスのゴルフ場と観光の魅力
これまで3回のイギリスゴルフ旅行ではすべてグレート・ブリテン島のリンクス巡りでした。
アイルランド島に行くのは今回が初めてでした。
「宝石のような、アイルランドのリンクス」
と噂に聞いていたので楽しみでしかたありませんでした。
最初はゴルフバッグは持っていかず、
なるべく荷物を少なくして、観戦と観光だけでプレーはしない方向で計画をたてました。
でも、やはりアイルランドのゴルフ場でプレーしてみたい・・・
そういう思いが出発が近づくにつれてだんだん強くなり、
レンタルクラブがあって、女子一人でも受け入れてくれ、
キャディーを頼める条件のゴルフ場を探してみることにしました(^ω^)
現地の旅行会社に問い合わせてみると、ダブリン郊外にある
「ロイヤルダブリン・ゴルフクラブ」
が大丈夫そうであることが分かりました。
早速ホームページからネット予約を入れてみたところ、
うまく受け付けられました。
実際に行ってラウンドしてみると、
さすが「ロイヤル」の称号がついているだけあり、
素晴らしいリンクス・コースでした。
今日は、日本ではあまり知られていない
アイルランドのリンクスコースリストでトップ10に入っている、
この美しいリンクスをご紹介したいと思います。
ロイヤルダブリン・ゴルフ・クラブは、
1885年に設立された、
アイルランドでは最も古い歴史を持つ、
会員制のゴルフ倶楽部です。
ダブリン空港やダブリン中心地から車で20分程度のところに位置しており、
旅行中に訪れるにはとてもアクセスのよい場所にあります。
限りなく平坦な地形ですが、グリーンまわりにバンカーがたくさん配置され、
正確なショットが要求されるリンクスコースでした。
ロイヤルダブリン・ゴルフクラブはダブリン湾の「ノースブル・アイランド」という島にあります。
この島はダブリン港の潮位を調節するために建設された堤防により、
川の土砂が長年堆積して、
「人工的にできた島」なのだそうです。
この島に渡るには、古くからある木製の橋を通らなくてはなりません。
一方通行の木製の橋のみが、砂州のブル島とクロンターフ市街をつないでいます。
左端に少しだけ見えている信号が青になると通れます。
かつてダブリン湾は干潮時に著しく水位が下がって船の航行が出来なくなるため、
18世紀後半から19世紀初頭にかけてダブリン港の航行を改善するために
湾内に南碧と北壁が建設されました。
1825年に北壁が完成した後は、壁の北側の砂の蓄積が続き、
1880年代にはドリーマウントからサットンに到達する砂の島が出来上がりました。
この砂の堆積は、今でも続いているそうです。
「ダブリン・ゴルフ倶楽部」は1885年にダブリン郊外で設立され、
1889年にこの人工の島ノースブル・アイランドに移転し、
1891年にロイヤルの指定を受けました。
以後現在に至るまで、アイリッシュオープンのなど数々の大会の舞台となった、
ヨーロッパではとても有名なゴルフリンクスの一つです。
今回の私の一人旅では、
北アイルランドのポートラッシュで開催された全英オープン観戦後、
国境を越えてアイルランド共和国に移動し、
ダブリンに4日間滞在する中、このゴルフ場を訪れました。
ラウンドの当日は現地ロコさんに案内していただきました。
一人旅を手助けをしてくださった「ロコ」さんたちを紹介します。 - イギリスのゴルフ場と観光の魅力
駐車場に隣接する「 アドミンストレーション」の棟にゴルフショップがあり、
ゴルフの予約やスタートの管理はすべてゴルフショップで出来ます。
イギリス(多分アイルランドも)では併設されているゴルフショップで予約管理がなされていることが多いです。
日本のようにクラブハウス内でプレーの予約やチェックインをする必要はないでので、
ゴルフプレーだけするのであれば高級ゴルフ場でも「ドレスコード」を気にする必要はありません。
実際に、この日もゴルフウェア姿で気軽に訪れる人がほとんどでした。
このロコさんのような、カジュアルな服装でも全く大丈夫です。
こちらでレンタルクラブを借り、事前予約してあったスタート時間を確認し、
プレイ代を支払うとスコアカードがもらえました。
やはりこのスコアカードもマッチプレー用で、
記入欄は「AとB」しかないですね(^ω^)
イギリスのゴルフは、マッチプレーです!! - イギリスのゴルフ場と観光の魅力
ゴルフショップでの手続きが終わると、ロッカールームに行って着替えました。
ロッカールームは、隣の棟の「クラブハウス」の横手にありました。
レディースロッカールームの中はこのような感じ・・・
「ロイヤル」の称号だけあって、シックでとても落ち着いた内装。
ビジター用のロッカーはスチール製の小さなものでした。
ゴルフウェアに着替え、いよいよスタートです!!
この日は平日でプレーヤーがいなかったせいか、
なんと、一人でラウンドすることになってしまいました(=゚ω゚)ノ
一人といっても、キャディーを予約してあったので、
20歳の青年キャディーにバックを担いでもらってのラウンドでした。
まるで、親子でお散歩しているようなラウンド(笑)
このキャディーのお父さんがこのゴルフ倶楽部の会員とのことで、
子供の頃からここでお父さんとゴルフをして育ったとのことでした。
きれいな英語を話し、穏やかなで頭の良さそうな青年でした。
砂洲の島ですから見渡す限りフラットです・・・
歩いてのラウンドでも全く疲れません。
遠くにダブリン湾が見え、とても素晴らしい景色です(^^♪
前を行く4人組は、プードル犬を連れていました。
どうやら、この倶楽部の会員グループらしく、
のんびり仲間とのゴルフを楽しんでいるようでした。
彼らは私より先にスタートしたのですが、
どうしても一人でラウンドしている私の方がペースが速く、
途中でパスされてしまいました。
追い越すときのショットは4人のギャラリーがいて、
とても緊張しましたが、
無事にナイスショット(^^)v
そのうちの一人が、
「神戸ゴルフに行ったことがあるよ~」
と声をかけてきました。
私が「日本人」であることを知っていたようでした。
ラウンドしながらキャディーに
「日本人は一年にどのくらい来るの?」
と聞いたところ
「自分の知ってる限りでは10人程度かな~」
とのこと。
ビジターのほとんどはアメリカ人だそうで、
日本人の私は、よほど目立ったのでしょう。
途中のホールにこんな石碑がありました。
「クリスティ・オコナー」というプロゴルファーの記念碑です。
アイルランドでは超ヒーロー選手で、
1950年代からロイヤルダブリンGCの所属プロとして活躍しました。
クリスティーは数々の素晴らしい記録を残し、
ライダーカップには10回もイギリス・アイルランドの代表選手として参加しています。
シニアになっても数々の優勝を果たし、
引退後もロイヤルダブリンGCの名誉会員として愛され、
2016年5月に91歳で亡くなったようです。
とうとう最終の18番ホールを迎えました。
クラブハウスに向かってドックレックしており、
クリークがあってかなり難しいホールでした。
ショットは見事に失敗!!(>_<)
ラフに球をいれてしまい、球がなかなか見つかりません。
「このまま見つからず、ラウンドの終わりが来なければいいのにな・・・」
と、心の中で思ってしまいました。
結局ボールは見つからず、ポケットにある最後の球で打ち直しました。
最終グリーンのパターは見事カップインでのホールアウト(^^)v
バックを担いでコースを案内してくれた素晴らしいキャディーに報酬を支払い、
着替えをするために、再びロッカールームへ。
途中、雨に降られたのでシャワーを浴びました。
パウダールームのドライヤーで髪を乾かし・・・
着替えを済ませた後は、クラブハウス内を見学。
ロイヤルの称号だけあって、かなり高級感のある内装でした。
1885年に開設した当初の倶楽部会員数は250名だったそうです。
伝統ある倶楽部だけあり、様々な有名人の写真が壁にかかっていました。
かつては、この台が入り口に置かれていたのでしょうか。
下の写真は1896年の風景、ということは今から123年前です。
オールド・トム・モリスが1894年に訪れて、ここで2試合したそうです。
このコースをデザインした「ハーリー・コルト」のことが書かれています。
第一次世界大戦中は、このコースは軍隊の射爆場として利用されました。
大戦後、荒廃しきったコースを1000ポンドの保証金で修復されることになり、
1920年に世界的にも有名なゴルフコース設計者のハリー・コルトによって 新しく生まれ変わりました。
ここでは「アイリッシュ・オープン」が、
1931年、1936年、1951年、1983年、1984年、1985年の6回開催されています。
1983年のアイリッシュオープンでの優勝者は、セベ・バレステロスでした。
ジャック・ニコラウス&セベ・バレステロス♡
その後 、2000年代初頭にハリー・コルトの遺産を尊重しながら再びコース改修が着手おこなわれました。
現代のゴルフ・ゲームで要求される標準コースに引き上げるためです。
リンクス設計のスペシャリストであるマーティン・ホーツリーに依頼して改修工事がおこなわれ、2006年に完了。
「7269ヤード・パー72」
に生まれ変わったこのコースは、
現代のゴルファーにとっても十分挑戦的なゴルフリンクスです。
今回の全英オープン前には、
飛ばし屋のバッバ・ワトソン選手が練習ラウンドに訪れていたそうです(^^)
クラブハウス内レストランの紹介です。
<ラムズデン・ルーム>
ロイヤルダブリンの創設者であるスコットランド人「ジョン・ラムズデン」にちなんで名ずけられたバー・ルームです。
ここで、ゲームの前後にゴルフ仲間とゆっくりドリンクを楽しめれば最高ですね。
アイリッシュキルトの柄の椅子が素敵!!(^ω^)
<ザモラン・ルーム>
18番ホールを見下ろす、快適でスタイリッシュ&カジュアルなダイニングエリアです。メニューは、コーヒーやスコーンからステーキまで幅広く、日替わりスペシャルもあるようです。
18番ホールを見下ろせる窓際に席をとり、
案内していただいたロコさんと、ここで夕食をいただくことにしました。
まずは、ギネスビールをひと口・・・最高の瞬間ですね!!
アイルランド名物の巨大マッシュルーム!!
そして、大好きなオニオンリングがいっぱい乗っています。
お肉が柔らかくてとても美味しい!!(^ω^)
こちらは「イカのリングフライ」です。
スパイスが効いていて、おつまみに最高でした。
美しいゴルフ場の景色を眺めながら、
ロコさんとのお話が尽きない、楽しい夕食のひと時を過ごしました。
ダブリン湾の人工の島である「ノース・ブル・アイランド」は
1979年の欧州鳥指令の下で特別保護地区として宣言され、1981年にはアイルランドで最初のユネスコ生物保護区に指定されました。
ノースブル・アイランドには、緯度が高いにもかかわらず越冬するユニークな野生の動植物が生息しています。
また、シギやサギ類が群れをなして生息する島としても有名です。
ヨーロッパではアイルランドの他のどの場所よりも、
多くのバードウォッチャーたちを魅了しているそうです。
このような自然環境にあるリンクスでのゴルフラウンドは特別です!!
まるで天国でゴルフしているような気分・・・
美しい自然のラフに入ったボールは、
花がかわいそうでとても打ち出す気にはなれません(^^)
最後までお読みくださり、
ありがとうございました!!(^^)/