「リンクス」とは・・・2020女子全英オープンの舞台
今年女子ゴルフメジャーの初戦である「AIG女子全英オープン」が8月20日から開催されています。
場所は、 スコットランドの西海岸にある名門ゴルフ場
「ロイヤル・トゥルーン・ゴルフ・リンクス」
昨年の女子全英で優勝を勝ち取り「シンデレラ・スマイル」として世界を驚かせた渋野日名子選手は、残念ながら予選落ちとなりましたが、
野村敏京選手・上田桃子選手・畑岡奈沙選手が予選を通過しました。
この三人に是非、最終日まで頑張ってもらいたいと思います。
とにかく自然のハザードが超難易度となり、距離だけでは結果をだすことができないのが「リンクスゴルフ」の醍醐味!!
今日は、私がこの4年間の「イギリス・ゴルフ旅」で感じたリンクスゴルフのことを書いてみたいと思います。
この写真は、4年前の1916年6月19日にロイヤル・トゥルーンを訪れた時の写真です。
この年の夏に男子全英オープンである「The Open」が開催されるので、急ピッチで会場整備が行われている最中でした。
この頃の私は全英オープンのこともリンクスのこともよく分からないままにゴルフツアーに参加したために、ガイドさんに案内されるがままでした。
イギリスのゴルフ場の名前はセントアンドリュースぐらいしか知らず「R&A」の存在もなんであるか知らず、次々と訪れるリンクスのクラブハウスや風景の美しさにただただ感動するばかりでした。
この日の午前中は競馬場の中にあるマッセルバラ・ゴルフ・リンクスで半日プレーを楽しみました。
https://kameusakiji.hatenablog.com/entry/2018/08/09/025745
その日のホテルに向かう途中で、ツアー・ガイドさんが、
「ロイヤルトゥルーンに立ち寄ってみませんか?
この夏に開催される全英オープンの観客席がだいぶ出来ていますよ」
とのこと。
クラブハウスの前で車をおりて、18番ホールのこの風景を見た瞬間にピーンと張り詰める空気を感じたのを今でもはっきり思い出します。
「ロイヤル・トゥルーンは女子がクラブ会員になれないんですよ」
と説明を受けたことも衝撃として印象に残っています。
しかし、その夏にクラブ規定が改正されて女子でも加入できるように改正され、ロイヤル・トゥルーンにとっても歴史的な年でもありました。
そして今年は「AIG女子全英オープン会場」となったわけです。
さて「リンクス」と言っても、現在では英語の“links”は、単純に「ゴルフコース」の意味があるために、リンクスと言う名称のゴルフ場が世界に数多くあります。
そこで、イギリスのリンクス協会では「本物のリンクスの規定」を以下のように定めたようです。
ゴルフ発祥の地、スコットランドのゴルフコースは一般的に「リンクス(links)」と呼ばれる。海沿いの自然の地形を生かしたコース、というだけでは、実は伝統的なリンクスとは認められない。リンクスと呼ばれるためには、本来、次の条件のほぼすべてを満たす必要がある。
・海沿いにあること
・土壌が砂質で排水がいいこと
・自然の地形を生かしていること。
・自然にできたコブや傾斜を人工的に平らにしていないこと
・ラフには海岸特有の自然の植物があること
・バンカーが数多くあり、ほとんどが小さくて深い
(砂が風に飛ばされることを防ぐため)こと
・フェアウェイに散水をしないか、しても稀なこと
・立木がないか、あっても非常に少ないこと
・コースが真っすぐレイアウトされ、イン・アウトが折り返しになっていること
(ゴルフダイジェスト辞典より)
イギリスのリンクスには、こんな雑草がラフを覆っています。
通常なら多くの観戦者がこのラフに入って移動するので、大会中はラフにショットを打ち込んでも平らになっていたりすることが多いです。
しかし今年の女子全英オープンは無観客とあり、テレビで見ている限りでは風でもっていかれた球がラフに入ると一貫の終わりと言う感じですね~(*_*;
これもリンクスに必ずあるハリエニシダです。
https://kameusakiji.hatenablog.com/entry/2018/06/11/234311
ハリエニシダは6月に黄色い花をたくさんつけて良いにおいでゴルフ場を包みますが、このブッシュにボールを入れたら一貫の終わりです(;・∀・)
長く伸びたブッシュの中には愛らしい花も混じっています。
短いラフの中にも、デージーのような花がよく咲いています(^ω^)
確かに樹木はほとんどありませんし、
一旦コースに出ると、日本におなじみのレストハウスや雷除けの小屋もありません。
トイレがないのでリンクスは、女子にはけっこうつらいです。
女子は、間違ってもビールを一杯飲んでコースに出てはいけませんね(;^ω^)
そして、数多くある「ポット・バンカー」には悩まされます。
樹木がない分、見通しが良くて気持ちよくナイスショットするのですが、
行ってみると「バンカー・イン」という展開がしょっちゅう起こります(´;ω;`)
距離もリンクスではよく跳ねるために日本の飛距離の1.2倍は飛びますが、
バンカーに入ってしまうと距離が出ても意味がありません。
このポットバンカーは日本のバンカーと形が違うのと、
レーキがたいていバンカーの中に置いてあります。
バンカーの周りのフェアウェイは傾斜がバンカー方向にあり、方向を良く考えて上手く打たないとグリーンを狙って打つと全てバンカーにボールが向かうようになっています。
「グリーン」について日本と違うな~と思うことは、
日本のような芝ではないのでボールが止まりにくいこともさることながら、
いわゆるスズメノカラビラ(ポアナ)があちこち混じっており転がりが一定しません。
そしてグリーンも自然の大地をそのまま利用しているので、アンジュレーションも複雑で思うようにラインが読めません(ノД`)・゜・。
これに加えて大西洋から吹く気まぐれな強い風、時折降りだす雨、風が吹くと渇いて転がりすぎるフェアフェイ・・・(;^ω^)
このように、イギリスのリンクスは自然のハザードがありすぎて、
日本のような素晴らしいコンデションをキープされたゴルフ場では考えられないことばかりです。
「そんなコースでは安定した良いスコアが出せるわけがない!!」
そうです、良いスコアが担保されない条件がそろっていることこそが、
ゴルフを楽しむ真髄なのではないでしょか?!
無名な選手が首位争いを繰り広げるAGI女子全英オープン最終日、
いったい栄冠を勝ち取るのは誰なのでしょうか?
ドキドキわくわくのAGI女子全英オープン最終日観戦を楽しみましょう(^^♪
このハマナスの花のごとく、
世界の女子ゴルファーの熱い戦いが今まさに、
イギリスのリンクスで繰り広げられています(^_-)-☆
日本の猛暑には、もうトホホな毎日ですね・・・
スコットランドは、8月でも長そでの気候で涼しいです。
リンクスに思いをはせると、コロナ騒動の鬱積が吹き飛びます(^^♪
最後まで、ご購読ありがとうございました(^^)/